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2018年09月24日

神様の御用人 2

さて、『神様の御用人 2 』ですね。



今回も4柱の神様の御用を、良彦が御用聞きを(モフモフの黄金とともに)することになる。



日本古来の八百万の神は、改めて見てみるととてもとても人間臭いものですねぇ。
そういえば、ギリシャ神話の神々たちもそのような気がします。

今回も黄金が言う、『神は理不尽なものである』と同時に、人以上に物思う神さまばかりだなぁ。

第一柱は、少彦名神(すくなびこなのかみ)。
大国主神とともに国造りを行った神さま。
『一寸法師』の元になった神さまの由。
かつて、国造りの途中に伊予の国の温泉、道後温泉に入った逸話から。
人のやさしさが伝わってきます。

第二柱は、窮鬼(きゅうき)、別名貧乏神との物語です。
力がなくなった神は、『果ててしまう』のか。
『雪が解けるようにいなくなり』、『完全に消滅』してしまうのか。
良彦がとった策とは・・・。
佳作ですね。

第三柱は、泣沢女神(なきさわめのかみ)。
孝太郎(良彦の友人)の働く神社に、アルバイトで働く穂乃香(ほのか:天眼を持つ高校生)が
ダブルヒロインの一人を務める。
泣沢女神は、日の本に住む人の子の悲しみの半分を引き受けて、代わりに泣いてくれる神さま。
泣沢女神のねがいとは、また穂乃香との関係は?
泣沢女神と穂乃香、それぞれのやさしさが胸に迫ります。
黄金の甘党ぶり(今回は、大福とあんみつにご執心)も楽しいかな。

第四柱は、須勢理毘売(すせりびめ)です。
須佐之男命(すさのおのみこと)の娘で、大国主神(おおくにぬしのかみ)の奥様。
須佐之男命が浮名を流すことに耐えかねた須勢理毘売の依頼は、
『あのどうしようもない夫を、改心させてちょうだい』、であった。
良彦は途方に暮れるが、神々たちへの気持ちをすなおに表すと・・・。
ハートウォーミングな一編です。









  


Posted by けいじさん at 10:41Comments(0)読書記録

2018年09月22日

いにしえの日の本の神様たちがおもしろい 神様の御用人

『神様の御用人』にでてくる神様たちは、何と無邪気な神様たちでしょうか。



ひょんなことから神様たちの御用を聞いて回る役目を仰せつかったフリーターの良彦。
ごく普通の人間である良彦(神様たちに対する知識はほぼない(苦笑))とお目付け役
のような形で寄り添ってくる、もふもふの狐である方位神(ほういじん)の黄金(こがね)。

宣之言書(のりとごとのしょ)を授かり、その書に浮かび上がる神様のもとに行き御用を承る・・・。

良彦と黄金のコンビが引き起こす、笑いとハートウォーミングな物語です。

著者は、浅葉なつさん。

この著書もシリーズ化されていますね。
引き続きウォッチングしてゆきます。  続きを読む


Posted by けいじさん at 00:01Comments(0)読書記録

2018年09月21日

『書店ガール』にみるリアル本屋さん

リアル書店を舞台とした、ワーキングガールの物語です。
彼女たちの本に対する愛情をベースとした、種々のやり取りが巻き起こります。



大手書店のチェーン店の一つである、吉祥寺店の副店長(のちのち店長となる)西岡理子は、
「書店にある本を売る」ことこそ本屋であると思っている40台独身。
一方の登場人物は、27歳のヤングガールで大手出版社の社員と結婚する、思ったことを
ズバズバ口にする、でもまっすぐで純粋な美人である。

対立する二人が共に働いてゆく中で、だんだんとお互いを理解しあってゆく。
そこに突然に惹起した「お店の閉店」問題。
力を合わせて「閉店」予定のお店を盛り上げようと、一致協力してゆく・・・。

著者は、碧野圭さん。

ハッピーエンドの物語を、さわやかに描きます。

この物語、シリーズ化しており引き続きウォッチングしてゆきたいと思います。  


Posted by けいじさん at 23:45Comments(0)読書記録

2018年09月19日

温暖化と生物多様性、本筋の議論とは?

『環境問題のウソ』は、あの池田先生(さんまさんのホンマでっかTVに出ている先生ですね。)が書かれた本です。
我が意を得たり、と嬉しくなってしまうご本です。
(①と②は、武田先生も同じ趣旨の話をしていますね。)



① 地球温暖化問題のウソとホント
現在は第四間氷期の終末で、もうすぐ(といってもあと1000年だったか)氷河期が来る、と地学で習った覚えがあります。
地球温暖化については、かねてから「?」と思っていました。
多くの書物に温暖化懐疑論がありますね。(近藤邦明さんの『温暖化は憂うべきことだろうか』などもそのひとつ)



ほとんどの環境論が、非科学的で感情論に終始しているなかで、池田先生は優しい語り口で冷静な論理的な主張をされています。
ペットボトルの水で火事を消す例えには笑ってしまいました。

② ダイオキシン問題のウソとホント
この問題の提議は、武田さんの著書で知ることができました。
池田先生は、「毒物」に対する科学的な(化学的な)考え方を整理した上で、ダイオキシン法を俎上に乗せる。
記載されている経緯が本当なら、日本の行政の立法に対する方法論は自己検証作用がないのか、アホの集まりか、と思ってしまいますね。
正しい考え方とそのことに沿った対応。
これだけは曲げてはダメですね。

③ 外来種問題のウソとホント
和歌山県のタイワンザルの『駆除』にまつわる狂騒。
ほんとか、それ。とにわかには信じられない行政の対応ですな。
「外来生物」、「遺伝子汚染」、なによりもダイナミックな生態系について、わかりやすく整理していただきました。

④ 環境保護のウソとホント
人間と自然の関わりについての一考察。人間は一万数千年前までは、野生生物だったのにね。
  


Posted by けいじさん at 12:57Comments(0)読書記録数理科学&物理学

2018年09月18日

赤とんぼの特攻


はたち前後の若者が、国のため、家族のために特別攻撃を志願する。

これが、ちまたで言われる神風特別攻撃隊の大まかなイメージではないか。

この本、神風特攻龍虎隊を描いている。
フィクションの体を取りつつ、実際にあったことの由。



古川薫さんは、歴史小説家で、山口県生まれであるからか、長州の維新前後の群像を描く。
このような物語を著すとは知りませんでした。
(本年5月に古川さんも鬼籍に入られたとのこと。お疲れさまでした。合掌。)




死地に赴く若者の心の内はいかばかりか。
戦争ははいけないと、確かにその通りかもしれないが、時代に翻弄されやむなく兵士となった
若者のこの生き方について、どう受け止めたらよいのか。

ひとつ絶対確かなことは、彼らは純粋に、まさに純粋におのれの役を果たしたのだ。

慟哭あるべし。嗚呼。  


Posted by けいじさん at 22:00Comments(0)読書記録

2018年09月17日

樹木希林さん逝く

あん

ドリアン助川さんの小説の名前。


(左は当初のカバー、右側は、映画化決定後のカバー)

どら焼きのどら春の店長、千太郎と徳江さん(76歳、吉井さん)そしてワカナちゃんの物語。
ハンセン氏病という絶対隔離のやまいを持ち、一生のほとんどを療養所で暮らした徳江さん達がバックにいる・・・。

徳江さんを樹木希林さんが演じていました。
この映画観たかったなぁ。

樹木さん、お疲れさまでした。
安らかにお眠りください。
合掌顔06

  


Posted by けいじさん at 22:31Comments(0)読書記録

2018年09月17日

宮下奈都さん その3

また宮下奈都さん。

メロディフェアという映画がありましたね。
そのテーマ曲が文中に出てきます。



就職した女の子の迷い、決意を温かく描いた作品ですね。
妹とのすれ違い、友人ミズキとの交流を通じて、自立してゆく女性を読後感さわやかに描いています。

これもいいよ。  


Posted by けいじさん at 12:37Comments(0)読書記録

2018年09月17日

宮下奈都さん その2

宮下奈都さんの続きです。



よろこびの歌と終わらない歌の2冊は、御木元玲と原千夏を中心とした仲間たちの青春群像ですね。
終わらない歌は、よろこびの歌の続編です。

登場人物の内面をあふれる思いとともに描き切っています。
皆素直で、頑張り屋で、温かい心の持ち主で。

読み進むうちにがんばれがんばれと応援してしまう、読後感さわやかな宮下奈都ワールドです。

とってもいいよ。  


Posted by けいじさん at 12:30Comments(0)読書記録

2018年09月16日

久しぶりの『原尞』



原尞さんを久し振りに堪能しました。

探偵沢崎の生き方に、何というか憧れ(?)てしまうのかな。
かく生きることができたら良いのに、と思う。
一方で、自身のことを考えた時、このストイックな生き方はできないなぁとも思う。
やはり憧れか。
男として、人としてストイックだけでなく、探偵としての能力にも優れている。
他人を思いやるが、ルールを外れたことは許さない。
チャンドラーのマーロウにも似ています。

原さんはミステリー作家、ハードボイルド作家と言われますが、非常に寡作で
本年14年ぶりに新作『それまでの明日』(これは図書館で借りました。)が出たため、
ゆっくりと堪能させていただくとともに、23年前の第1作『そして夜は甦る』以下4作を読み返し、
以前からのブレない沢崎の生き方を確認&堪能し、「原尞」ワールドに改めて心酔いたしました。

以下原さんの著作ですね。Wikiからの引用です。
(エッセイ集は未読です。)
長編集
そして夜は甦る(1988年4月 早川書房 / 1995年4月 ハヤカワ文庫)
私が殺した少女(1989年10月 早川書房 / 1996年4月 ハヤカワ文庫)
さらば長き眠り(1995年1月 早川書房 / 2000年12月 ハヤカワ文庫) - 文庫版のみ掌編「世紀末犯罪事情」を収録。
愚か者死すべし(2004年11月 早川書房 / 2007年12月 ハヤカワ文庫)
それまでの明日(2018年3月 早川書房)

短編集
天使たちの探偵(1990年4月 早川書房 / 1997年3月 ハヤカワ文庫 / 2005年11月 埼玉福祉会【大活字本】)
収録作品:少年の見た男 / 子供を失った男 / 二四〇号室の男 / イニシャル"M"の男 / 歩道橋の男 / 選ばれる男 / 探偵志願の男(文庫版、大活字本のみ)

エッセイ集編集
ミステリオーソ(1995年6月 早川書房)
【増補分冊】ミステリオーソ(2005年4月 ハヤカワ文庫)
【増補分冊】ハードボイルド(2005年4月 ハヤカワ文庫)
  


Posted by けいじさん at 09:19Comments(0)読書記録

2018年09月12日

活版印刷三日月堂 その4(最終話です)

雲の日記帳

記 H30 08.24
活版印刷三日月堂(第四巻 雲の日記帳)
著者 ほしおさなえ

最終巻となりました。
三日月堂の周りもずいぶんと賑やかになり、仕事も暮らして行くには何とかでくるくらいの量はあるのだったけれど、弓子さんの夢は、平台で本を印刷することだった・・・。
弓子さんと悠生の関係も大団円を迎え、物語としても一区切りですね。
人と人との優しい関わりが胸を打つ、最終巻にふさわしいハートウォーミングな一冊です。


① 星をつなぐ線
星空館というプラネタリュウムにまつわる人達のお話です。

木口印刷と言われる古い方法で作られた星座盤の復刻をしようと努力する
星空館の広報担当である村岡さんと、本町印刷の営業(星空館担当の)長田君の恋物語ですね。三日月堂での復刻作業の苦労の中で、真摯な二人の関係がさわやかに感じられます。

② 街の木の地図
大学のゼミで地域紹介の雑誌を作成することとなった豊島さんと安西さん。 上から目線の日下部君と組むことになって・・・。

川越の各所にある大きな木をテーマに人々の思い出を取材して行く。
印刷を三日月堂で依頼することになり、苦労を重ねて雑誌をつくって行く。
その過程で仲間を理解して行き、自分のやりたいことが少しづつ見えてくる。
豊島さんの自己発見ので物語ですね。

③ 雲の日記帳
三日月堂の近くにある古書店の浮草。
そこを経営している水上は、定期刊行物の浮草だよりに『雲日記』を連載している。
大学時代の文芸部の仲間である岩倉に『雲日記』をまとめた本を作らないかといわれるが断る。
水上の余命が少ない中で、岩倉や弓子は本の出版を水上に勧めるが・・・。
弓子が悠生を好きだと自覚する、
人の優しさ、一途さが溢れる一編です。

④ 三日月堂の夢
水上が、『雲日記』の出版を決めた。端物屋の三日月堂では、本を作ることは多大な労力がかかる。しかも水上の余命も残り少ない。
弓子さんと悠生、そして今まで三日月堂に関わってきた人々が、互いに協力しあい全力で本を作りあげる。
本の完成をみてしばらくののち、水上は感謝の言葉を残して逝く。
弓子さんと悠生は、互いの好意を確認し、三日月堂を一緒にやって行く決心をするのだった。

一途でいつも人のことを考えすぎてしまう弓子さん。そんな弓子さんをやさしく見守る悠生。
二人の未来に拍手を贈りたくなるような一冊でした。


全4巻、楽しくやさしい気持ちで読了させて頂きました。
ほしおさなえさん、ありがとうございました。☺️☺️
  


Posted by けいじさん at 09:08Comments(0)読書記録